【原因チェックリスト付き】生成AIが社内で使われない理由と立て直し方

この記事で分かること

  • 生成AIが社内で使われない原因を、止まった作業から確認するチェックリスト
  • 使う場面・人の確認・困ったときの対応を決め直す手順
  • 研修後の着手と担当者による再現の実例から考える、再開後の確かめ方
【原因チェックリスト付き】生成AIが社内で使われない理由と立て直し方

生成AIが社内で使われないときは、使う場面、人の確認、困ったときの対応から見直せます。生成AIの社内定着とは、担当者が普段の仕事で生成AIを使い、必要な確認まで進められることです。契約や研修は済んでいても、仕事の途中で元の方法に戻っている場合があります。この記事では、原因を整理するチェックリストと、実案件から考える立て直しの手順を紹介します。

【チェックリスト】生成AIが社内で使われない原因を確認する

生成AIが社内で使われない原因は、担当者がどの作業で元の方法に戻ったかを見ると絞れます。使わない理由を聞くときは、意欲や知識の評価よりも、直近の仕事に沿った確認が役立ちます。

(1)最後に使おうとした仕事を振り返る

原因を探す出発点は、担当者が最後にAIを使おうとした仕事です。「使っていますか」への回答だけでは、何を変えればよいか判断しにくいものです。入力した内容と、その後に行った作業を一緒に確認しましょう。

例えば、営業担当が商談メモの整理を試し、結局すべて書き直していたとします。操作が分からなかったのか、必要な項目が出なかったのかで、対応は変わります。上司が従来の書式しか受け取らないなら、提出方法も確認が必要です。

話を聞くときは、次のように作業の順序に沿って尋ねると、状況を共有できます。

  • どの仕事で使おうとしたか
  • 何を入力し、どんな結果を期待したか
  • 出てきた結果のどこで迷ったか
  • 最後はどの方法で仕事を終えたか

一度も開いていない場合は、任せるつもりだった仕事があるかを聞きます。仕事が決まっていなければ、操作説明を増やす前に、使う場面を選ぶ余地があります。管理職が期待していた用途も伝えると、現場との認識の違いを確かめられます。

(2)チェックリストを仕事ごとに使う

チェックを付けられない項目は、再開前に決め直す候補です。以下は、担当者と管理職がそのまま使える確認用のチェックリストです。使えていない仕事を選び、実際の資料や手順を見ながらチェックしましょう。

  • [ ] どの仕事の、どの場面でAIを使うか説明できる
  • [ ] 入力する資料と、社内で入力を認められた情報が分かる
  • [ ] 依頼文と、必要な出力の見本をすぐに開ける
  • [ ] 出力の何を、どの資料と照らして確かめるか分かる
  • [ ] 確認する担当者と、判断に迷ったときの相談先が決まっている
  • [ ] 困りごとを受け取る人と、修正を引き継ぐ先が決まっている
  • [ ] 現場担当者が普段の手順で最後まで進められるか試している

チェックの数で部署や社員を採点する必要はありません。例えば「見本を開ける」が未確認なら、保存場所を決めることが次の作業になります。回答が担当者によって違う場合は、同じ手順を見ているかも確かめます。

複数の仕事をまとめて点検すると、できている点と未確認の点が混ざります。営業の日報、問い合わせへの返信など、仕事を分けて使うと修正先が明確になります。分からない項目は無理に埋めず、誰に聞けば分かるかを添えて残せます。

(3)未確認の項目から、直す場所を選ぶ

立て直しは、使い始める前・出力の確認・導入後の対応に分けて考えられます。チェックリストで見つかった困りごとを、次の表に当てはめると着手点を選べます。これは本記事で提案する整理方法であり、原因の割合を示す調査結果ではありません。

現場で起きていること確かめる点最初に見直す場所
アカウントはあるが開く機会がない使う仕事と開始の合図が決まっているか既存の仕事に組み込む場面
試したが、答えを使えるか判断できない確認資料と担当者が決まっているか人が確認する範囲と方法
以前は使えたが元の方法に戻った止まった理由を受け取り、直す人がいるか相談から修正、再開までの流れ

同じ仕事に、複数の問題が重なっている場合もあります。例えば出力の書式が合わず、修正を頼む先も不明なら、書式と窓口の両方が対象です。現場が次にその仕事をするまでに、何を直せるかを管理職と相談します。

すべてを整えるまで試せないと考えると、再開の時期が決まりません。必要な入力や確認の条件を満たせる範囲まで、対象の作業を狭める方法もあります。解決していない点は残し、今回試す範囲と混同しないようにします。

【手順1】生成AIの社内活用を、既存の仕事に組み込む

生成AIの社内活用を再開するには、今ある仕事のどこで使い、何ができれば終わりかを決めます。「自由に使ってよい」という案内に加え、担当者が試す場面まで具体化することが出発点です。

(1)使い道を探す負担まで現場に任せない

再開する仕事は、導入時に困っていた作業から選び直すと具体化できます。使い道が自由すぎると、忙しい担当者は、試す仕事を探すところから始めることになります。入力の準備や、でき上がりの判断も、各自で考える必要が生じます。

まずは、導入時に減らしたかった負担と、今も残っている負担を並べます。前に作った依頼文や出力があれば、使えた部分も確認できます。試行の履歴を生かし、どこからなら再開できるかを相談しましょう。

仕事を選ぶ際は、次の点を担当者と確認します。

  • 次にその仕事が発生する予定があるか
  • 利用を認められた入力資料を用意できるか
  • 出力が使えるかを、担当者が確かめられるか
  • 現在の提出先や保存先までつなげられるか

例えば、提案内容の検討まで任せると難しい場合でも、商談メモの整理なら試せます。ただし、これは運用例であり、どの会社にも同じ仕事が適するという意味ではありません。自社で何が負担になっているかを基準に、範囲を選びます。

(2)始める合図と、完了の条件をそろえる

「いつ使うか」と「何ができれば終わりか」がそろうと、日常業務に組み込めます。例えば営業の日報なら、「日報に使う」だけでは、任せる内容が曖昧です。事実を整理するのか、次の対応案まで出すのかを区別します。

以下は、商談メモを報告用に整理する場合の運用例です。実案件の成果や、効果を保証する手順ではありません。

  1. 商談後に、社内で利用を認めた情報だけをメモに残す。
  2. 保存した依頼文を使い、報告に必要な項目へ整理する。
  3. 担当者が元のメモと照らし、提出できる形に直す。

この例では、使い始める合図は「商談が終わったとき」です。完了の条件は、文章が出ることではなく、必要な事実がそろって提出できることです。元のメモにない情報が加わった場合は、そのまま提出せず内容を確かめます。

依頼文や書式を探す時間も、実際の仕事には含まれます。普段開く場所から必要な資料へ進めるかも確認すると、準備の負担を見落としにくくなります。提出先が別の書式を求めている場合は、出力の形を先に合わせます。

(3)研修後の着手と、継続利用を分けて確かめる

研修後に自分の仕事へ着手できたかは、知識を業務につなげる確認点になります。もちもつが関わった企業研修では、受講後の着手までを記録しています。確認できている出来事は次のとおりです。

実案件で確認した項目記録にある結果
対象受講者5名
受講後の行動全員が期限内に自分の自動化テーマを申告し、着手
この記録で分かること各自が取り組む仕事を決め、実際に手をつけたこと

この数字は、長期間使い続けた割合や、削減時間を示すものではありません。また、自動化のテーマへの着手と、生成AIが日常業務に定着した状態は別です。ここでは、学んだ後に自分の仕事へ移る段階の実例として紹介しています。

自社でも研修をやり直すなら、受講後に試す仕事と、その予定をセットで扱えます。受講の感想に加え、実際に着手した資料があれば、次に困った場所まで確認できます。着手できなかった場合も、資料の準備や社内の判断で止まっていないかを見直します。

【手順2】AIの出力を確認する担当と、見る箇所を決める

AIの出力を仕事で使うには、何を根拠に誰が確認し、どこまで直せば完了かを決める必要があります。出力が得られても、その後の判断が曖昧なままでは、担当者は安心して次の作業へ進めません。

(1)「人が確認する」を具体的な作業にする

確認する資料と箇所まで決めることで、担当者が毎回判断方法を考える負担を減らせます。前回使えなかった出力を開き、間違いの内容だけでなく、確認のために探した資料を聞きます。必要な資料が見つからず、元の方法に戻っていた可能性もあります。

例えば、問い合わせへの返信案で止まっているなら、役割を次のように整理できます。これは社内の分担を考えるための運用例です。

工程再開前に決める役割確認する内容
返信案の作成AIが、利用を認めた資料をもとに下書きする回答の根拠にする資料
事実の確認担当者が商品情報や相手の質問と照らす内容の誤り、回答の抜け
判断が必要な回答権限のある人が対応を決める値引きや特別対応の可否
送信確認した担当者が確定し、相手へ送る宛先と確定した文面

「最後は人が見る」という決まりだけでは、どこまで任されているかが伝わりません。通常の処理と、権限のある人に相談する判断を分けて記載しましょう。既存の承認ルールがある場合は、それに沿って分担を整理します。

(2)使える出力の見本を共有する

確認済みの見本があると、次の出力で何を確かめるかを共有できます。担当者に「この結果なら使える」と言える状態を見せてもらいます。見本には、完成した文章だけでなく、何と照らして確認したかも添えられます。

例えば、問い合わせの返信なら、文章の自然さと、回答内容の正しさは別の確認です。読みやすく整っていても、商品情報と食い違っていれば修正が必要です。見本との差を確認する際は、次の観点を使えます。

  • 元の資料にある事実が正しく残っているか
  • 必要な項目が抜けていないか
  • 元の資料にない情報が加わっていないか
  • 判断が必要な部分を、担当者が見つけられるか

見本は、その後の確認を省略するためのものではありません。資料や業務の条件が変われば、同じ依頼文でも結果の使い方を見直す必要があります。使えなかった出力も、社内の情報管理ルールに沿って残すと、修正の材料になります。

(3)確認が重いときは、任せる範囲を戻す

確認の負担が大きいときは、AIに任せる範囲や出力の形を見直します。すべてを書き直しているなら、担当者の慣れだけで解決できるとは限りません。どの部分の確認や修正に手間がかかったかを分けて見ます。

例えば、根拠を探すのが負担なら、参照する資料を絞る方法があります。書式を直す手間が多いなら、必要な項目の順番や出力の形を見直せます。提案内容の判断が難しいなら、まず事実の整理までに任せる範囲を戻せます。

修正後は、文章を生成する操作だけでなく、入力の準備から確認まで通して試します。出力が早くても、確認や転記の手間が残っていれば、その負担も含めて判断します。改善したかは実際の作業で確かめ、未測定の時間短縮を成果として扱わないことが大切です。

【手順3】社内にAIが定着するまで、困りごとと再開を追う

社内にAIが定着するまでの対応には、困りごとを受け取り、修正後の再開まで確かめる役割が必要です。質問の窓口と、その後の対応を決める人が分かれば、現場も状況を伝えやすくなります。

(1)止まった状況を、今ある連絡手段で残す

困りごとの報告は、修正担当が同じ状況を確かめられる内容にします。新しい報告書を増やす前に、今使っている連絡手段で残せる形を考えます。次に同じ仕事をする予定も添えて共有しましょう。

  • 何の仕事で、どの操作まで進めたか
  • 期待した結果と、実際の結果の違い
  • 急ぎの処理を、どの方法で終わらせたか
  • 次に同じ仕事をする予定と、対応を待てる期限

受け取る人は、操作の質問、社内判断が必要なこと、仕組みの修正を分けます。自分で直せないものは、管理職や導入先へ引き継ぎます。対応する時間も確保し、兼任者が通常業務の合間にすべて抱えない形を考えます。

例えば、書式変更後のファイルが読み込めなくなった場合は、変更後の資料が確認材料です。使った資料を共有できる範囲で残し、修正担当が同じ条件で処理を確かめます。返答を待つ間の業務の進め方も決めておくと、現場が独自に判断する負担を減らせます。

(2)担当者自身が再現できた実例を見る

説明した側が動かせたことと、現場担当者だけで再現できたことは分けて確認します。もちもつが支援した広告運用会社では、担当者自身による再現を確認しました。対象は、広告データから条件に合う広告素材を取り出す仕事です。

CSVは、表のデータを受け渡すためのファイル形式です。下の抽出件数は対象データが違うため、前後の改善率ではありません。

確認した段階実案件の記録
抽出処理の確認979広告から条件に合う19件を抽出
担当者による再現同じ手順書で、先方担当者が自分だけで作業を実施
再現時の処理と出力2アカウントのCSVを統合し、1週間分で14件を抽出、3ファイルを出力

この事例で確認できるのは、手順書を使って担当者が再現できたことです。毎週無人で動いている実績や、その後の継続利用期間を示すものではありません。生成AIの社内活用でも、手順を渡した後に、担当者が実行できるかを確かめる視点は使えます。

自社で試す際は、普段使う資料と、普段の担当者で進めます。横で教えながら終わった場合は、迷った操作を手順書へ追記できます。何を補足したかを残すと、次の作業で同じ説明が必要だったかを比べられます。

(3)利用回数より、仕事が終わったかを見る

再開後は、対象の仕事を必要な確認まで終えられたかを確かめます。ログインしていても、出力を使わずに元の方法でやり直している場合があります。利用回数だけでは見えない、確認や提出までの作業を振り返ります。

例えば、報告の作成に使ったなら、必要な内容がそろい、提出先で受け取れたかまでが対象です。提出後に大きく直した場合は、どの内容が不足していたかを修正担当へ戻します。仕事が終わらなかった場合も、その理由が分かれば次に直す内容を決められます。

振り返りでは、使えた出力、止まった箇所、次に修正する人を残します。問題を報告するだけで終えず、次回の作業までに何を変えるかを相談しましょう。修正後も負担が残る場合は、対象を狭める、従来の方法へ戻すという判断もできます。

よくある質問

生成AIが使われないときの再研修やツール変更は、止まっている作業の原因に合わせて判断します。

(1)研修をやり直した方がよいですか?

操作が分からず止まっているなら、その業務に絞った説明から始められます。使う場面や確認の担当が未定なら、先に仕事の手順を決め直します。再研修を行う場合も、実際に止まった資料で最後まで試す時間を設けます。

(2)別のツールに変えた方がよいですか?

ツール変更は、今の業務に必要なことができないと確認してから検討します。入力の準備や社内の承認で止まっているなら、変更しても同じ手間が残ります。前回の入力と出力を使い、機能の不足なのか、運用の問題なのかを切り分けます。

(3)社内のAI利用を義務化すれば定着しますか?

利用の義務化だけでは、担当者が仕事を完了できるかは確かめられません。対象の仕事で使い、確認まで進められる手順と、困ったときの連絡先が必要です。使えなかった理由も共有できるようにし、次の修正につなげます。

(4)AI推進の専任担当がいなくても進められますか?

兼任でも、困りごとを受け取る人と、対応を決める管理職を明確にして進められます。兼任者には対応する時間を確保し、社内で直せない部分は導入先や支援会社へ相談します。相談時には、止まった資料と手順があると、対応する範囲を話し合えます。

次にやることは、止まった仕事を選び、再開日を決めること

今日やることは、使われなくなった仕事を確認し、直す担当と再開日を決めることです。全社への再周知の前に、現場担当者と具体的な作業を見ながら進められます。

(1)チェックリストから、次の作業を決める

最初の行動は、止まった場所と、そこを直す担当者を決めることです。記事中のチェックリストを使い、次の順番で確認しましょう。

  1. 最後に使おうとした仕事を開き、元の方法に戻った箇所を見つける。
  2. 使う場面、確認の分担、修正の窓口から、直す内容と担当者を決める。
  3. 次に同じ仕事をする日を再開日にし、現場だけで完了できたかを確かめる。

すべての原因が今日分からなくても、止まった資料と操作が残れば次へ進めます。管理職から、現場が挙げた困りごとにどう対応するかを返すことも大切です。前回から変えた点が分かれば、担当者も再開時に何を試すか判断できます。

(2)問題が重なるときは、今の運用をもとに相談する

自社で切り分けが難しい場合は、止まった仕事と今の手順をもとに相談できます。ツールの問題と、確認や引き継ぎの問題が重なっていると、修正先を選びにくくなります。導入時の説明と現場の使い方に違いがある場合も、双方の状況を並べて考えます。

もちもつの無料相談では、使われなくなった原因を、今の運用を見ながら一緒に整理します。今のツール、止まった仕事、困っている点が、話を始める材料になります。自社の仕事に当てはめて、どこを直して再開するかを考えられます。

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現状をうかがったうえで、論点を一緒に整理します。

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