【テンプレート付き】ChatGPTの使い方のコツ|仕事は往復と質問で決まる
この記事で分かること
- ChatGPTの答えがいまいちなとき、書き直すより往復したほうがよい理由
- 自分の欲しいものを、AIに質問させて引き出す頼み方のひな形
- 仕事で何往復するかを決める、往復のチェックリスト

ChatGPTの使い方のコツは、最初の指示を凝ることではなく、返ってきた答えに対して何回やりとりを続けるかです。生成AIとは、文章や画像などを、人の指示に応じて作り出すAIのことです。答えがいまいちなとき、多くの人は指示の書き方を疑いますが、仕事で使う場面では、往復の回数と、先にAIへ質問させる順番のほうが効きます。この記事では、往復の考え方、質問させる頼み方のひな形、往復のチェックリストを紹介します。
ChatGPTの使い方のコツは、プロンプトの上手さより往復の回数
ChatGPTの答えがいまいちなときは、指示を書き直すより、返ってきたものに「ここが違う」と返すほうが早く着きます。プロンプトとは、AIに入力する指示文のことです。
(1)1回目の答えは、仕事の材料として受け取る
1回目の答えは完成品ではなく、自分の欲しいものを知るための材料です。人は、出てきたものを見て初めて「こういうことではない」「ここはよい」と分かります。頼む時点では、自分が何を欲しいのかを、まだ言葉にできていないことが多いのです。
新しく入った人に仕事を渡したときも、同じではないでしょうか。最初の1回で完璧なものは戻ってきません。戻ってきたものに赤を入れて、また渡す往復で仕上がります。
(2)長い指示を1回書くより、短く頼んで返すほうが外れが見える
条件を10個並べて1回で当てに行く書き方には、2つの弱点があります。
- 書いている時点で、欲しいものが固まっていないので、書くのに時間がかかる
- 外れたとき、どの条件が効いていないのかが分からない
短く頼んで、返ってきたものに一言返す方法は、1回あたりの手間が小さく、外れた場所が見えます。「プロンプトの書き方」を調べる時間を、往復に回したほうが、仕事は進みます。
(3)往復の回数は、3〜5往復を目安にする
まずは、1回目で判断せず、3回目まで続けることから始めます。1往復で終わる仕事は、AIに頼まなくても済む仕事であることが多くあります。逆に、5往復を超えても近づかないときは、往復が足りないのではなく、頼む前提がずれています。
この回数は、仕事で使うときの経験上の目安です。作る文書の重さや、元の資料の量で変わるため、自分の仕事で何往復かかるかを一度数えてみましょう。
(4)書き直しと往復は、何が違うのか
書き直しは「頼む前」に手間をかけ、往復は「返ってきた後」に手間をかけます。どちらが速いかは、欲しいものが固まっているかで変わります。
| 観点 | 指示を書き直す | 往復する |
|---|---|---|
| 手間をかける時点 | 頼む前 | 答えが返ってきた後 |
| 外れたときの原因 | どの条件が効いていないか分かりにくい | 返した1点が効いたかを確かめられる |
| 向いている場面 | 毎回同じ形で頼む定型の作業 | 欲しいものが固まっていない新しい仕事 |
毎回同じ形で頼む作業は、うまくいった頼み方を残しておくと便利です。一方、新しい仕事の最初の1回は、書き直すより往復で形を探したほうが早く着きます。
【手順1】往復のしかた|5つの動きを使い分ける
往復とは、ただ「もう一回」と頼むことではありません。返ってきた答えに対して、次の5つの動きを状況に応じて使います。
| 動き | 返し方の例 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 雑に出させる | 「〇〇のたたき台を作ってください」 | 最初の1回 |
| 違う所を1点で指す | 「3つ目が違います」「もう少し硬くしてください」 | 答えが惜しいとき |
| 理由を聞く | 「なぜこの順番にしたのですか」「この案の弱い点は何ですか」 | 自分の前提を確かめたいとき |
| 別案を出させる | 「まったく違う切り口で、あと2案出してください」 | 1案目に考えが引っ張られたとき |
| 自分の言葉に直す | AIの答えを元に、自分で書き直す | 最後 |
(1)直す所は、1回に1点だけ返す
全部を一度に直させようとすると、どこが効いたのかが分からなくなります。いちばん気になる1点だけを返すと、ずれません。「硬い」「長い」「3つ目が違う」のように、一言で十分です。
(2)理由と弱点を聞いて、自分の考えを確かめる
理由を聞くのは、AIの結論を信じるためではなく、自分の考えを確かめるためです。答えの中に、自分が見落としていた前提が出てくることがあります。AIは、もっともらしく間違うこともあります。数字や固有名詞は、元の資料と見比べて確認しましょう。
(3)最後は、自分の言葉に直して出す
AIが作るのは下書きで、出すかどうかを決めるのは人です。出来上がったものをそのまま使わず、自分の言葉に直して、初めて自分の仕事になります。社外に出すものは、上司や担当者がもう一度読む手順を、仕事の流れに入れておきましょう。
(4)往復の流れを、仮の例で見る
1回目が惜しい答えでも、3回返すと使える形に近づきます。次は、営業担当が商談後のお礼メールを作る、説明用の仮の例です。
- 「商談後のお礼メールのたたき台を作ってください」と頼む。返ってきたのは、どの会社にも送れそうな一般的な文面
- 「硬いので、もう少しやわらかくしてください」と返す。文面はやわらかくなったが、商談の内容が入っていない
- 「今日の商談で話した、導入時期の相談に触れてください」と返す。商談の内容が入った
- 「この文面の弱い点は何ですか」と聞く。次の打ち合わせの提案が書かれていない、と指摘された。ここで自分の言葉に直す
1回目の答えで諦めると、手元に残るのは一般的な文面だけです。返した内容は、毎回1点だけで、特別な言い回しは使っていません。指示の書き方の巧さではなく、「やわらかく」「導入時期に触れて」と、見たものに対して一言返しただけです。
(5)往復が止まったときに、見直す3つの点
往復しても近づかないときは、頼み方より前提を疑います。
- 元の資料や、相手の情報が渡っていないのではないか
- 作りたいものが、そもそも決まっていないのではないか
- AIに任せる範囲が、広すぎるのではないか
どれかに当てはまるときは、質問させる頼み方に戻り、前提を並べ直します。任せる範囲は、「全文」ではなく「見出しの案だけ」のように、小さく切ると進みます。
【手順2】頼む前に、AIから質問させる
何を書けばよいか分からないときは、頼む前に、AIにこちらへ質問させます。AIに質問させる頼み方は、欲しいものを聞かれて引き出すための、いちばん短い方法です。「何を書けばよいか分からない」「条件を整理するのが面倒だ」と感じて手が止まるときほど、効きます。逆に、資料も形も決まっている仕事では、質問させずに、たたき台から往復するほうが速く進みます。
(1)欲しいものは、聞かれて初めて言葉になる
条件を整理してから頼むのではなく、整理そのものをAIに手伝わせます。例えば、「お客様向けのお知らせ文を書いてください」と頼むとします。このとき、誰に向けるのか、どのくらいの硬さか、何を伝えれば成功なのかは、決まっていないことがあります。
「誰に向けますか」と聞かれて、「既存のお客様だ」と気づく。「何をしてほしいですか」と聞かれて、「予約の変更を促したい」と分かる。こうして、自分の考えが言葉になります。
(2)質問させるときは「1つずつ」と添える
「1つずつ」と書かないと、質問が10個まとめて返ってきて、答えるのが重くなります。頼みたいことを一言で伝え、最後に次の一文を添えます。
「作る前に、必要な情報を、1つずつ質問してください」
(3)質問への答えは、短く、分からなければ「分からない」と書く
きれいに答えようとしなくて構いません。「そこは決めていません」「特に希望はありません」と返すだけでも、決まっていない点が見えます。迷ったときは、「AとBとC、どれが合うと思いますか。理由もつけてください」と聞き返し、最後に選ぶのは自分で行います。
(4)質問させたほうがよい仕事と、たたき台から始める仕事
まだ条件が固まっていない仕事は質問から、材料が揃っている仕事はたたき台から始めます。
| 仕事の状態 | 始め方 | 例 |
|---|---|---|
| 誰に何を伝えるか、決まっていない | 質問させる | お客様向けのお知らせ文、新しい企画の整理 |
| 元の資料があり、形も決まっている | たたき台を出させて往復する | 議事録の整理、報告書の要約 |
| どちらか迷う | 質問させて、数問で打ち切る | 提案書の骨子、社内向けの説明文 |
【テンプレート】質問させる頼み方のひな形
そのまま貼り付けて、〈 〉の中を自分の仕事に置き換えると使えます。
(1)質問から始める基本形
まず、何を作りたいかと、誰に使うかだけを書いて、質問を頼みます。
〈作りたいもの。例: 取引先向けの値上げのお知らせ文〉を作りたいです。
使う相手は〈相手。例: 既存の取引先〉です。
作る前に、必要な情報を、1つずつ質問してください。
こちらが「分からない」と答えたら、選択肢を出してください。
(2)質問が多すぎるとき、役に立たないときの返し方
質問が続きすぎたら、いったん作らせて、往復に移ります。
| 状況 | 返す言葉 |
|---|---|
| 質問が10個を超えた | 「ここまでの回答で、いったん作ってください。足りない点は、あとで直します」 |
| 質問が的外れ | 「その質問は今回は関係ないので飛ばしてください。代わりに〇〇について聞いてください」 |
| 答えを決められない | 「どれがよいと思いますか。理由もつけてください」 |
質問で材料を集め、たたき台で確かめ、往復で仕上げる順番にすると、無理なく進みます。
【チェックリスト】仕事で往復するときの確認項目
往復が足りているかは、次の項目で確かめられます。AIに頼んだ仕事を1つ選び、答えを使う前に確認しましょう。
(1)頼む前の確認
頼む前に、決めるのは「何を作るか」と「誰が確認するか」の2つです。
- 何を作りたいか、一言で書けるか
- 書けないときは、AIに質問させたか
- 元の資料や数字を、手元に用意したか
- 出したものを、誰が最後に確認するかが決まっているか
(2)往復中の確認
3回目まで続けたかが、いちばんの分かれ目です。
- 1回目の答えで、判断しなかったか
- 「ここが違う」を、最低3回返したか
- 返すときに、直す所を1点に絞ったか
- 理由や弱い点を、1回は聞いたか
- 別の切り口の案を、1回は出させたか
(3)使う前の確認
使う前の確認は、仕事によって省かず、毎回やります。
- 数字・固有名詞・日付を、元の資料と見比べたか
- 自分の言葉に、直したか
- 社外に出すものは、もう一人が読む手順に載せたか
- 往復の回数を、記録したか(次回の目安にするため)
(4)会話が長くなって混ざったときの立て直し
往復が増えて、前の指示が戻る、話が混ざるときは、会話を新しく開きます。そして、ここまでで決まったことを、自分の言葉で3〜5行にまとめて、最初に渡します。
- 新しい会話を開く
- 「ここまでに決まったこと」を3〜5行で書いて渡す
- 残っている論点を1つだけ頼む
続けるより、整理して渡し直したほうが、早く着きます。
よくある質問
(1)ChatGPTの答えがいまいちなときは、プロンプトを書き直したほうがよいですか?
書き直す前に、返ってきた答えに「ここが違う」と返してください。1回目の答えは、自分の欲しいものを知る材料になります。返す言葉を変えても改善しないときは、頼む前提がずれているため、AIに質問させて整理し直します。
(2)何往復すれば仕事で使えますか?
3〜5往復が目安です。ただし、回数より「確認の項目を通したか」で判断します。往復の回数は、仕事の重さや資料の量で変わります。上のチェックリストで、使う前の確認が済んでいれば、使える状態です。
(3)AIに質問させると、時間がかかりませんか?
頼むより数分は増えますが、書き直しの往復は減ります。「ここまでの回答で、いったん作ってください」と返せば、質問を打ち切れます。急ぎのときは、最初から質問させず、たたき台だけ出させて往復する方法もあります。
(4)入力してはいけない情報は、ありますか?
顧客名・個人情報・契約内容は、会社のルールが決まるまで入力しないほうが安全です。入力した情報の扱いは、利用するサービスや契約の種類で変わります。使う前に、サービスの公式の説明と、社内のルールを確認しましょう。
次にやること
明日、AIに頼む仕事を1つ選び、「3回目まで続ける」ことだけをやってみてください。
(1)1つの仕事で、往復と質問を試す
まず、1つの仕事で、往復の回数を数えます。
- 頼みたいことを一言で書き、「作る前に、必要な情報を、1つずつ質問してください」と添えます。
- 出てきたたたき台に、「ここが違う」を3回返します。
- 自分の言葉に直し、往復が何回だったかを書き留めます。
(2)社内で使う仕事と、確認の担当を決めたいときは相談する
個人の使い方を、社内の仕事に広げるときは、使う場面と確認する人を先に決めます。もちもつの無料相談では、今どの業務でAIが使われているかを伺い、往復の回数や確認の担当を決める進め方を一緒に考えます。ツールや契約が決まっていなくても、個人での使い方の整理から始められます。
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